仕事を辞めたい薬剤師の皆さんへ
都内の調剤薬局で働いている薬剤師です。
日々の仕事の中で、「仕事やめたい」「薬剤師なんてもう嫌」と思うことなんて日常茶飯事の薬剤師の職場。
うなづいている人は多いと思う。
私の周りの友達の薬剤師と話しても、みんな「辞めたい」って言ってるし。
私の場合、職場での人間関係にも疲れたし、仕事もしんどいし、楽しいことより辛いことの方が全然多いし、「このまま働いていることに何の意味がるんだろう?」という思考回路に陥りました。
精神的に疲れきっている時は、ふとした時に勝手に涙が出てくることもあって、「あぁ、もう限界なんだな」なんてことも多々。(あとからうつ症状のチェックしたら、面白いようにあてはまってました)
「薬剤師の資格があるし、辞めてもどうにかなるだろう」という強気な気持ちもある半面、「転職して、今より悪くなったらどうしよう」という不安がつきまとって…
退職も転職も踏み切れずに、ニッチもサッチもいかなくなっていました。
そんな薬剤師さんってたくさんいると思う。
そんなときは、とりあえず転職活動をしてみたらいいっていうのが、私の経験から行き着いた結論。
「いきなり転職活動なんて…」と思う人もいるかもしれないけれど、
「転職活動」っていっても、いきなり転職するわけではなくて
「転職するかどうか決める」ための転職活動なら、なんのリスクもない。
「転職活動する」というと「辞めること前提」で考える人が多いけれど、
転職活動したっていいところが見つからなかったら、今のところにいればいいだけのこと。
転職活動は婚活と同じだった…
いろいろ悩んでた時に思ったのが、「転職活動」は「婚活」と同じだということ。
「結婚できない人」の多くは、「結婚したい!したい!」って言いながら、自分では何も動いていない人が多い。
あなたがその地域で有名な美人さん出ない限り、「白馬の王子様がある日突然あなたを迎えにやってくる」なんてことは、現実的にあり得なくって。
結婚している人はみんなコンパに行ったり、友達に紹介してもらったり、結婚相談所に行ったり積極的に行動している。
コンパや紹介や結婚相談所で、男性を紹介してもらったとしても、その人と結婚しないといけないわけではなくって、
お互いに「この人とお付き合いしたい」「結婚したい」という合意に至れば、話が先に進むわけ。
自分で行動しなければ、「この人と結婚するかどうか」っていう選択肢すらない状態。
これって、仕事選びでも同じだよね。
「今の職場が嫌だ」って言っていても、あなたがよほど仕事ができて、薬剤師業界でその名が知れ渡る程の人でない限り、引き抜きなど、よそから声がかかることはないわけで…。
そんな中で、今の状況を変えようと思ったら、自分で動くしかない。
それが「転職活動」
転職活動は、あくまで「今よりいい職場があるかの市場調査」
調査した結果、転職した方が今より良くなりそうなら、転職しちゃえばいいし、
転職すると今より悪くなりそうなら、今の職場にいればいい。
転職活動で調査をしなければ、今の職場よりよくなるか、悪くなるかの比較すらできない状態ってこと。
まずは、比較対象の職場を探すための活動をしてみるってこと。
これだけでも今の絶望的な気持ちや不安をかなり軽減できる。(実際に私は動いてみることで、気分が少し楽になった)
今の状況を変えるために何をすればいいか
婚活の場合は、婚活サイトや結婚相談所に登録するわけだけど、薬剤師の転職の場合は、「転職サイト」を活用することが絶対必要。
無謀にも自分一人で転職活動なんてしないでね。
自分一人でやると玉砕して、逆に心の傷を負うことになりかねないので要注意。
転職サイトは、「薬剤師の転職市場や職場環境などの情報を持っているプロ集団」。転職を成功させるノウハウや知識、経験豊富なので、転職サイトを使わずに素人が一人で転職するなんて、もってのほか。情報量が違いすぎる。
「転職サイト」の利用は、婚活でいうと「結婚相談所」に登録するようなもので、転職サイトに登録せずに地道に求人情報を探すのは、街でナンパするようなもの。
転職サイトを利用する3大メリット
転職サイトに登録すると様々なサービスを利用できるのだけど、その中でもすごく価値のあるサービスを3つ紹介。
転職サイトに登録すると、担当のコンサルタントから電話がかかってきてカウンセリングを受ける。
「えぇ〜電話とか面倒くさい」と思うかもしれないけれど、これが一番重要。
自分がどういったことろで働きたいかが明確になっていないと、転職を成功させることは絶対にできないから。
人それぞれ、仕事や職場に求めるものは違う。
給料が一番の人もいれば、人間関係を重視する人もいる。
もしくは、子供がいるから残業なしで帰れることが一番かもしれない。
婚活でもそうだけど、自分の理想がわかっていない人が多すぎる。
理想の結婚相手を聞かれて、すぐにどんな人か答えられる人ってとても少ない。
だから、いい人がいても見過ごしてゲットすることができない。もはや自分の理想の人だということにすら気づいていない。
そのために、「理想の結婚相手リスト」を書き出すことで、明確化していくんだけど、
理想のタイプってぼんやりすることが多いから、プロのカウンセリングを受けながら理想の相手を明確にするのが第一ステップ。
転職に話を戻すと、理想の職場を明確にするための第一ステップがコンサルタントとのカウンセリングってこと。
まずは、自分の経歴と希望の条件を伝える。
年収や仕事内容、残業の有無、通勤時間、年間休日などなど、まずは希望をありのまま伝えるのがベスト。
「こんなこと言うとずうずうしいかな?」と遠慮せずに言ってみること。転職に成功する人に共通することの一つとして、細かいことまで希望を伝えているってことがあるから、これは侮れない。
婚活でもそうだけど、理想のタイプが細かい方が相手を絞りやすい。そして、最初から低い希望を伝えるとそれ以上のものは出てこない。
コンサルタントには、「そんな天国みたいな職場あるわけない」って思われるかもしれないけれど、まずはダメもとで言ってみる。
その希望を聞いた上で、コンサルンタントは今の薬剤師の求人市場から色々なことを考えてくれる。
「この条件を満たす職場は、余裕で見つかる」
「この希望は難しい」
「もし興味があるなら、こういった職種もある」
「薬剤師としてキャリアを高めるなら、在宅を経験しておくと強い」
コンサルタントは、本当にあらゆることを教えてくれる。
「今の薬剤師はそんな甘いもんじゃない」っていう厳しい現実もあれば、「薬剤師ならこんな働き方ができる」っていう目から鱗な話まで。
そして、これまでの経歴から「転職市場での自分の価値」を教えてもらえる。
自分の価値を知るのは怖いけれど、これを知ることで次のステップに進める。
・今の職場で評価に見合った年収がもらえているか
・転職したら、どこまで条件を上げられるか
婚活でもそうじゃない?
自分のことをわきまえないで、「年収1000万円以上の人じゃなきゃ嫌」「身長180cm以上」「国立大学の理系出身」とか言ってても「どの面下げて言ってんの?」ってことになるし、
逆にせっかく価値があるのに安売りするのももったいないじゃない?
自分の今いる位置もわからず、動こうとするからグラグラしちゃうわけで、
こうやって自分の範囲を示してもらえれば、転職先を考えるときも比較がしやすくなる。
こういったことからも転職のプロの手を借りるのは、大きなメリットがあるわけ。
転職サイトには、非公開求人というものが存在する。
これは、ハローワークや求人誌にはないし、転職サイトでも特定の薬剤師にしか紹介されない条件のいい「お宝求人」
転職サイトには、好条件の求人もたくさんあるわけだけど、誰にでもその求人を公開しているわけではないっていうのがポイント。
婚活でもそうだけれど、「ルックス抜群、一流企業勤務、年収1000万円で超優しい男」と聞くと「紹介してほしい!」っていう女性が殺到してしまう。
そうなると、婚活サイト側も応募者の選考が大変だから、「釣り合うのはこのレベルかな」って女性にしかこの好条件案件を紹介しない。
転職サイトの場合も同じこと。
コンサルタントが「この求人に合いそうだな」「ヒアリングで希望していた条件に近いな」って求人を紹介してくれる。
紹介案件で気になれば、本格的に転職活動をすればいいし、いまいちならスルーして他の案件を待てばいいだけ。
いい求人を紹介してもらうためにも、ヒアリングの段階でコンサルンタントに希望を伝えておくのは、とっても大事。
転職サイトのコンサルタントは、求人先である病院や調剤薬局の人間関係や内情をけっこう教えてくれる。
実際の残業の多さだったり、具体的な仕事内容や離職率、職場のムードや人間関係。
転職サイト経由で何人も入職しているのに、すぐに求人募集が出る企業なんかは、「あそこは人がすぐ辞めて離職率が高い。なんかある」ってことがコンサルタントには手に取るようにわかる。
転職サイトに登録した薬剤師から転職理由を聞いていれば、「あぁ、ここは人間関係最悪なのね」「ここは忙しすぎるのね」ってデータが溜まってくるのは当然のことなわけで…
これほど薬剤師の職場の情報が集まるところはないんじゃない?って感じ。
生々しい話を赤裸々に聞きたかったら、転職サイトのコンサルタントが一番頼りになるのは間違いなし。
転職サイトのメリット・デメリット〜婚活サイトと比較して
そんなわけで、転職サイトのメリット・デメリットを婚活サイトのメリット・デメリットと合わせてまとめてみたところ、こうなりました。
転職の場合
転職サイトを利用 |
自分で転職 |
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---|---|---|
メリット |
・事前にカウンセリングをして、自分の理想の求人を明確にしてもらえる
・たくさんの求人情報の中から、自分の希望にあった求人をプロの目で選んで紹介してもらえる
・求人先の人間関係や残業、休日出勤など職場環境を教えてもらえる
・一般には出回らない非公開求人を紹介してもらえる
・履歴書や職務経歴書の書き方を教えてもらえる
・面接に同行してもらえるサービスもある
・給料などの条件交渉を代わりにおこなってもらえる
・色々な職種や転職事例を教えてもらえ、視野が広がる
・うまくいかないときも相談に乗ってもらえ、やる気が維持できる
・無料で利用できる
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・自分のペースで活動できる
(自分が動かないと進まないとも言える)
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デメリット |
・コンサルタントとのやりとりがある
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・求人先一件ずつ自分で連絡しなければいけない
・自分で探せる求人数には限界がある
・友人の紹介などだと断りづらい
・年収や休日数など条件交渉を自分でしなければいけない
・人間関係や職場環境など表向きのことしかわからない
・メンタルが弱いと、不合格が続くとあきらめてしまう
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【婚活の場合】
結婚相談所を利用 |
自分で婚活 |
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---|---|---|
メリット |
・事前カウンセリングで、理想の男性像をはっきりさせるのでターゲットを見つけやすくなる
・たくさんの男性から、自分の理想に合う男性をプロの目で選んで紹介してもらえる
・相手の年収や仕事、家族構成などを事前に把握できる
・非公開の男性登録者を紹介してもらえる
・好印象を与える釣書(身上書)の書き方を教えてもらえる
・お見合いで好印象を与えるコツやマナーを教えてもらえる
・結婚相談所を通して断れるので、無理してお付き合いを続けなくていい
・うまくいかないときも相談に乗ってもらえ、あきらめずに頑張れる
・うまくいかないときも相談に乗ってもらえ、やる気が維持できる
・無料で利用できる
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・料金がかからない
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デメリット |
・料金が高い
・結婚相談所の担当者とのやりとりがある
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・職場の同僚や紹介など、出会える数が少ない
・友達の紹介などだと断りづらい
・相手の給料などは聞きづらい
・振られ続けると精神的につらい
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結局のところ、転職サイトに登録して転職するのは、結婚相談所に登録して婚活するようなものなのだけれど、大きく違うところがひとつ!!
薬剤師転職サイトの利用は、完全無料だということ。
結婚相談所の場合、入会・登録料に○万円、月会費○万円、お相手を一人紹介してもらうのに○万円、成婚料○○万円と積み重なり、結婚するまでに50万〜100万円近くかかることも…
転職サイトの場合、薬剤師の利用は無料。
どこから料金が支払われているかというと、薬剤師の採用が決まったら病院や調剤薬局、企業など支払う「成功報酬型」で成り立っているというからくり。
薬剤師にとっては、非常にありがたいサービスで、使わないのは本当にもったいないと思う。
転職サイトを利用することのデメリットはないのか
転職サイトは使わなきゃ損だと思う。
でも、全くデメリットがないわけでもない。
上のメリット・デメリットでも紹介したけれど、転職サイトに登録すると担当のコンサルンタントさんとやりとりすることになる。
人と人とのやりとりだから、いろいろあるわけで…
よくあるデメリットはこの3つ
1.紹介を断りづらい
2.希望と全然違う求人ばかり紹介される
3.強引に転職させられる
転職サイトから紹介された求人を断りづらいという人もいるかもしれない。
でも、むしろ直接友達や知り合いから紹介された求人を断るより、ビジネスでやっている転職サイト方が断然断りやすい。
婚活だって結婚相談所を通した方が断然断りやすい。直接本人には言いづらいことも、「間に人を介すだけでこれだけ断りやすくなるものなのか」と思うほど。
実際に私も希望に合わないものは、たくさん断った。(転職活動の方ね)
求人を紹介された時点で「いまいち」のものは、どんどん断るし、面接を受けて内定をもらったけど断ったものもある。
転職サイト側も断られることを想定してどんどん紹介してくるし、転職サイト側もあなた以外のたくさんの薬剤師に同じ求人を紹介しているので、気にする事はまったくなし。
お見合いと同じでたくさんの人(求人)を見ないと、理想の人(求人)は見つからないもの。
これは、登録する転職サイト選びが間違っていることが考えられる。
最近は転職サイトの数も非常に増えていて、転職サイトの質もピンからキリまで。紹介してくれる求人もさまざま。
薬剤師の職種は、病院、調剤薬局、企業(製薬会社、CROなど)など幅広いけれど、転職サイトによっては調剤薬局求人しか扱っていない企業や病院求人が弱い企業など得意分野がいろいろ。
そのあたりは、転職サイト選びを間違わなければ解消できることなので心配なし。下で紹介している各転職サイトの特徴を参考にどうぞ。
いまだにこんなイメージをもっているひともいるみたい。
これは完全にブラックな転職サイトに当たった人の情報。
私が利用した転職サイトでは一切こんなことはなかった。
私が受けたくない求人は、無理には勧められなかったし、こちらの意見は100%尊重してもらった。
むしろ私の方が「あ〜でもない。こうでもない。」とかなり振り回した。
コンサルタントさんに申し訳ないなぁということを伝えたところ、「無理に転職してもらっても、すぐに辞めることになったら、結局自分たちにもメリットはありませんから」と言っておられた。
大手の転職サイトは、そういった教育が徹底しているので、無理に転職させられることはない。
ブラックな転職サイトに登録しないように見極めは大切。
私が利用した大手3社は間違いないということは、実体験から保証できる。
実際に利用してよかった薬剤師転職サイト
「百聞は一見に如かず」とはよくいったもので、実際に使ってみないとわからないこともある。
また、私にはよくても別の人には合わないということもあるから。
ただ言えるのは、多くの薬剤師が利用して満足度が高いところは、間違いないことが多いということ。
私が利用した5社の中からよかった会社、かつ他の薬剤師からの評判のいい会社を3社紹介。
1位 ファルマスタッフ
5社利用した中で一番よかった。
コンサルタントの人間味あふれる対応 がすばらしく、まさしく神対応。
ビジネス的ではなく、親身になって相談に乗ってくれる感じ。
転職しようかどうか迷っている人には一番おすすめできる。
面接にも一緒に同行してかなりフォローしてくれた。職場見学も一緒に行ったけど、薬局にもよく顔を出しているようで薬局の人間関係や雰囲気もいろいろ教えてくれた。
調剤薬局の求人数はハンパない。
ただ、製薬会社やCROなどの求人は少ないようなので、企業に転職したい人にはおすすめではないかも。
調剤薬局の求人はダントツで充実しているので、登録しておいて損はない。
正社員だけでなく派遣求人の条件もいい。
2位 リクナビ薬剤師
ファルマスタッフの次によかったのが、リクナビ薬剤師。
コンサルタントのレベルが高く、さすが転職大手のリクルートという感じがした。
リクルートのポイントは、薬局だけでなく病院、企業など幅広い求人が多いこと。
薬局以外も幅広く探したい人におすすめ。
非公開求人が全求人の75%もあり「さすがリクナビ」という印象。
登録するだけのメリットはあったと思う。
3位 薬キャリ
上の2社を補佐する感じで登録しておくといいのが薬キャリ。
この3社の中でコンサルタントとの距離感が一番遠い。
なので、あまりかまって欲しくない人には、使いやすくておすすめ。
薬キャリは、メールで求人情報を送ってくれるのだけど、高額年収など条件のいい求人があって見逃せない。
そういった求人はすぐに埋まるので、見つけたら即連絡。
求人数や情報量、コンサルタントに相談したいなら、1位のファルマスタッフ
コンサルタントのレベルと幅広い求人なら、2位のリクナビ薬剤師
高額求人を拾うなら、3位の薬キャリ
1社だけだと情報が偏るので、まずは私のように複数サイトに登録して、まんべんなく情報を集めてみればいいと思う。
担当者との相性もあるし、いろんな人の話を聞いてみるとかなり勉強になる。情報って何よりも重要だから。
おまけ
転職よりも「まずは婚活!」という方はこちらからどうぞ